Vol.50│アンプラグドなあかり

繋がないのは新感覚?

投稿日:2014,05,08

 

フランクフルトにて

こんにちは、東海林弘靖です。ひと月ほど前のことですが、ドイツ、フランクフルトで開催された照明の国際見本市「Light + Building (ライトアンドビルディング)」に行ってまいりました。2年に一度のペースで開催されるこの巨大な見本市は、メッセ・フランクフルト会場の全域を使って開催されています。そして回を重ねるごとに、その規模は大きくなっているようです。開催期間中は夕刻から関連イベント「Luminale(ルミナーレ)」として照明インスタレーションがフランクフルトの街のあちこちで展開されるので、この時期のフランクフルトは市を挙げて「光の祭典を成功させよう!」といった雰囲気に包まれます。

今回はこのルミナーレに日本人のライトモードアーティストこと、柏原エリナさんが参加していらっしゃるとお聞きしていましたので、現地でお会いするのを楽しみにしておりました。彼女の考える光のパフォーマンスは、RGB光の三原色を自在に調色できるシステム付きドレスをまとったパフォーマーさんが音楽に合わせてダンスをするというものなのですが、このドレスはただカラフルに光るだけではありません。パフォーマーさんが指し示す先の色をワイヤレスで離れたところに待機する柏原さんのもとへ送ります。その色をPCでグラフィック処理をし、さらにドレスのRGB調色システムに指示を送る・・・光のDJ、まさにライト・ジョッキーを行っているのです。

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Vol.49│“アルデンテ”なパスタと照明の秘密

失敗しないアルデンテのコツ

投稿日:2014,04,17
photo by Mrs Mac2007

 

がっかりなパスタ

みなさんはイタリアンなお店でパスタを注文した時に、なんだか歯ごたえのないうどんのようなパスタが出てきてガッカリした・・・という経験はないでしょうか? 私は以前、ニューヨークから車で2時間程離れたペンシルバニア州の田舎街を訪れたときに、久しぶりにパスタを食べよう!ということになり、現地の方に連れて行かれたイタリア料理店でこういった柔らかすぎるパスタが出てきて、とてもがっかりしたことがあります。

確かにそのお店は“イタリア料理”と看板には掲げているものの、メニューには、ハンバーガーやらステーキなど、実に“アメリカン”なものもありましたから、本格的なイタリアン=アルデンテに茹でられたパスタを期待するほうが野暮だったのもかもしれません。しかし、日本ではそんなに高級な店でなくてもきちんとしたアルデンテのパスタが出てくるお店はたくさんあります。では、その違いとは一体何なのでしょうか? 今回は、ほどよく茹で上がった“アルデンテ”なパスタに例えて照明の話をしてみたいと思います。

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Vol.48│ガテン系ライトの魅力/船舶用照明器具

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,04,03
photo by justus.thane

 

興味をそそられる“ガテン”なもの

「ガテン」というのは、かつて出版されていた求人誌のタイトルなのですが、その求人誌は建築・土木、ドライバーや修理工など、いわゆるブルーカラーに特化した情報を扱うものでした。現在は休刊になっているようですが、創刊が1991年と言いますから日本はバブルが終わりかけた頃、この求人誌とそのコマーシャルが大ヒットして、「ガテン系」なる言葉も生み出されてきたのです。

ガテン系・・・そうです、何事にも体を張って忍耐強く働くタフな奴、・・・そんなイメージがバブル崩壊から次なるIT時代の中で頼もしく見えたものでした。さて、照明器具の世界においても、どんな過酷環境の中でも安全で確実に光を放つガテン系な照明器具というものを見出すことができます。今日は私が長年愛しているタフで魅力にあふれた照明器具についてお話してみます。

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,03,20

 

良い音楽、美味しい料理にあるものは?

最近購入したスピーカーの音がとても良くて、音楽を聴くのが楽しくなるという知人の話を聞きました。何でも、そのスピーカーでCDのクラシック曲を聴くと演奏しているそれぞれの楽器の音がきちんと聞こえてくるのだそうです。曰く、「音の層がとても厚く感じられる」というのです。

確かに料理などでも、その料理をはじめて口にした時から、時間の経過とともに味わいの印象が変化することがあります。美味しい!という表現の奥にはこのような複数の味わいのレイヤー(層)があるからなのだと思うのです。スピーカーの話も同様で、音の厚みが感じられる良いスピーカーで聞けば、臨場感も増すというものです。さて、この「厚み」の話は、私の担当する光の世界にも当てはまるように思います。実は、私も先日あるプロジェクトで照明の最終調整中にそれを実感することができました・・・・。

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,03,06
photo by lipjin

 

今年のトレンド的照明は?

まだまだ寒い日が続いておりますが、ここ銀座の街のショーウィンドウはすっかり春のイメージとなりました。ファッションの世界ではその年のトレンドがいち早く発信されますから、ショーウィンドウを眺めているだけでも今年の流行りがよくわかります。一方、照明業界は?というと、一般の方が“これが流行り!”とわかるほどの年ごとの違いはあまり目に見えてこないかもしれません。

私たちの業界はどうやら数年単位での波があるのかもしれませんが、その大きな波の気配を何となく感じることはできるかもしれません。今年は4月にドイツフランクフルトでLIGHT&BUILDINGという世界最大の照明見本市が開かれる年となっています。さあ、そこではどんな波を感じられるのでしょうか? そして、日本ではどんな波が起きようとしているのでしょうか?

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,02,20

 

スタジオに大きな箱が届いた!その中身は・・・?

1月の半ばごろでしょうか。LIGHTDESIGNのスタジオにものすごく大きな箱が届きました。いったい誰から何が送られてきたのだろう?と、不思議に思って、大きなその荷物の送り元を確認すると、遠くイタリアから送られてきたものだとわかりました。

早速、一辺が1ⅿもありそうな立方体の箱を開けてみると、その中にはたくさんの梱包材が入っており、それをさらにどけていくと綺麗な化粧箱が出てまいりました。化粧箱のほうも結構大きめでしたし、照明デザインの事務所に届く荷物ですから、きっと照明器具か何かだろうと思っておりました。そう思いながら開けてみてびっくり、「ワオーッ!」と嬉しい叫び声をあげずにはいられませんでした。さて、その中身とは・・・?

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,02,06

 

LIGHTDESIGNの新たな恒例

こんにちは、東海林弘靖です。エー、本日これからお話ししますのは、落語家に欠かせないツール、「手ぬぐい」。噺家の手ぬぐいならぬ、照明家の手ぬぐいをご紹介いたしましょう!

・・・と、ちょっと落語口調になってしまいましたが、実はLIGHTDESIGNでは3年前より年初めのお年賀として、落語家さんのようにオリジナルの手ぬぐいをお配りするようになりました。きっかけは環境への配慮として紙資源の年賀状でのご挨拶を控え、ウェブでの音付きグリーティングレターに切り替えたのですが、やはり親交の深い方々には何か特別なものをお送りしたいという気持ちもあり、手や汗を拭いたりと何かしらに使って頂けるものとして手ぬぐいをお送りするようになったのです。

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2014,01,23
photo by Hiroyasu Shoji

 

新年の誓い!その心は・・・?

こんにちは。東海林弘靖です。前回このブログでは、新年のご挨拶と共に今年1年間のテーマをご報告させていただきました。それは「事あるごとに照明俳句を詠んでみたい!」というものでした。そして、手始めに詠んでみたのが上記の句であったのです。

俳句はご存じのように、五七五の短い言葉を並べて、そこに作者の思いやその時の情景を込める日本語ならではの素晴らしい表現法の一つです。今回は、なぜ今年私が俳句、いや照明俳句を始めようと考えたのか? そのあたりからお話を始めたいと思います。

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投稿日:2014.01.09
Photo by Hiroyasu Shoji

2014年
新年おめでとうございます。

歳が改まり、心も新たに
「人の心に響く光」を求めて日々の仕事にまい進いたします。

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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2013,12,19
photo by  Hiroyasu Shoji

 

台北に誕生した新カルチャースポット

今年は5年ほどかけて取り組んできた大規模な海外プロジェクトがようやく完成いたしました。そのプロジェクトは台北市内にオープンした複合商業施設「松山文創園区( ソンシャンウェンチュアンユェンチュ)」です。敷地は1.2ヘクタールもある広大なたばこ工場だった跡地を再開発したものです。この中には新築の施設だけでなく、約75年前に建設された老建築も残っていて、かつての面影を残しつつリノベーションしているのです。これら壮大な施設群は、台北のアートやカルチャーが集う場として再生された一大文化総合施設として完成いたしました。

メインの複合施設の設計は建築家の伊東豊雄さんということもあって、この度、私もプロジェクトに参加することができました。担当した建築物は地下4階、地上14階のメインビルディングでこの中にはオフィス、商業(ショップ・レストラン)、シネコン、シアター、イベントホールなどが入っています。さらには今年中に同施設内に入るホテルの開業でフルオープンとなるのですが、8月から既にオープンしているエリアは毎日たくさんの人で賑わっているそうです。


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Vol.32│ニューヨーク、3つの出逢い

絵の具に見たLEDカラーの確立

投稿日:2013,12,05
photo by かがみ〜

 

ウィンターイルミネーションの傾向

いよいよ12月になりました。街のあちこちでさまざまな色合いのイルミネーションが展開され、華やかな雰囲気に包まれております。LIGHTDESIGNのある銀座では、銀座通り(中央通り)を中心に「GINZA ILLUMINATION(ギンザ・イルミネーション)2013 ヒカリミチ 〜希望の輪〜」と題し、特別に開発したスペシャル・シャンパンゴールド色のLEDを使用したイルミネーションが12月3日より始まりました。シャンパンゴールドといえば、ここからちょっと足を延ばした丸の内の仲通りでも以前からシャンパンゴールドのイルミネーションを展開しています。

きっと「シャンパンゴールド」というのは、12月や華やかさをイメージさせるキーワードなのでしょう。今回はこのゴールド(金色)と光について考えてみたいと思います。

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PROFILE
東海林弘靖 / Hiroyasu Shoji

1958年生まれ。工学院大学・大学院建築学専攻修士課程修了。
光と建築空間との関係に興味を持ち、建築デザインから照明デザインの道に入る。1990年より地球上の感動的な光と出会うために世界中を探索調査、アラスカのオーロラからサハラ砂漠の月夜など自然の美しい光を取材し続けている。2000年に有限会社ライトデザインを銀座に設立。超高層建築のファサードから美術館、図書館、商業施設、レストラン・バーなどの飲食空間まで幅広い光のデザインを行っている。光に関わる楽しいことには何でも挑戦! を信条に、日本初の試みであるL J (Light Jockey)のようなパフォーマンスにも実験的に取り組んでいる。






Vol.41 ゴールド光の研究
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Vol.42 所れば変わ視点も変わる?
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2014年 新年おめでとうございます
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Vol.43 言葉で光を伝える技術 ― 照明俳句
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Vol.44 照明すごろく
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Vol.45 光のソムリエとワイン
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Vol.46 2014年の照明動向
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Vol.47 厚みのある光

Vol.48 ガテン系ライトの魅力/船舶用照明器具
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Vol.49 “アルデンテ”なパスタと照明の秘密
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Vol.50 アンプラグドなあかり
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