photo by Toshio Kaneko
投稿日:2012,12,6
イルミネーションの季節到来
こんにちは。東海林弘靖です。今年もまたイルミネーションの季節がやって参りました。街では至る所でクリスマスの賑やかなデコレーションが施され、私たちの目を楽しませてくれます。やはり、こんな楽しい雰囲気に包まれると、年末の忙しさを忘れ、光の作り出す美しい景色をしばし堪能したくなります。
私自身は、建築照明が専門なので、クリスマスイルミネーショのデザインをすることは滅多にありません。しかし、この季節になると「そういえば・・・」と訪れたくなる場所があります。それはかつて照明デザインを担当させていただいた横浜の「象の鼻パーク」です。ここは普段も周辺の夜景を借景とした心に染み入る光の景色が見られますが、クリスマスという特別な夜には、いつもと違った素敵な光を見ることができるのです。
象の鼻パークの必見日
象の鼻パークはその名の通り、象の鼻のような形の防波堤に隣接するように、波止場や緑の丘、アートスペースを兼ね備えたレストハウス「象の鼻テラス」などを含む大きな港に面した都市公園です。
公園のデザイン的な特徴は、広場全体を取り囲むように並べられた大中小のスクリーンパネルが夜間に光ることです。普段は日没直後から電球色、そして20時の時報と共に薄紫色に、さらに22時には青色に変化していきます。しかし、12月23日〜25日のあいだは、この光が通常とは異なった特別な演出となるのです。
日没から電球色の光が点灯するのはいつもと同じなのですが、必見の演出は19時から始まります。正時(19時以降)になると一旦これらの光は消灯します。そして、間もなく大きな輪のように配置されたスクリーンの両端から、電球色の光がタン、タン、タンと走ってくるように灯り、左右から来た光がちょうどこの公園の正面入り口で出会います。
久しぶりに出会えた恋人同士のように、光はその動きを一瞬止めて、見つめあうような時間が過ぎてまいります。ほんの短い、でも大切なその時間を経て最後の向かい合う2枚がピンク色に点灯し、まもなくフワーッと全体もピンク色に光り輝く・・・そんな、ちょっとストーリー性のある演出となっています。それは、まるでクリスマスの恋人たちのように・・・光がチュッ!とキスするかのように見えるかもしれません。
photo by LIGHTDESIGN INC.
照明は街の熟成と共に・・・
このような特別なライティング演出は、他にも年末年始(12月31日〜1月3日)やバレンタインデー、ゴールデンウィーク、七夕などにも行われますが、今年は12月23日が日曜日、12月24日は祝日ですから、ぜひこのイルミネーションを楽しんでいただけたら・・・と思いここに紹介させていただきます。
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