Vol.140|「LIGHT+BUILDING 2018」レポート

お別れに寄り添う照明
投稿日:2018,05,25
photo by LIGHTDESIGN INC.

今年も行ってまいりました!

フランクフルトで2年に一度行われる国際照明・建築見本市「Light+Building(ライトアンドビルディング)」ですが、今年も3月に開催されました。私、今年も行ってまいりましたよ!

ここに来れば、世界の照明関係者、とりわけ地球上の同時代に生きる照明大好き人間に会える貴重な機会でもあるのです。いわば、世界の照明業界のお祭りと言っても過言ではありません! さて、今年はいったいどんな照明技術に出あえるのでしょうか? そして明日の照明の傾向は・・・?

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Vol.139|”おくる”為の光

お別れに寄り添う照明
投稿日:2018,05,11
photo by AKITO GOTO

現代日本の変化から

今や日本は超高齢社会に入り、お年寄りが多く、小さな子供が少ないという逆ピラミッド型の人口構成に向かっています。1960年代は高齢者が少なく、若い人ほど多いピラミッド型、その後ベビーブームの影響で特定の年代の人口が劇的に増えたものの、2010年の段階で中高年層が一番多い壺型の人口形状になり、それが2060年には逆ピラミッド型になると予測されているのです。

そうなると、今までとは違う困った問題がたくさん起こるのだそうですが、その一つに火葬場の不足というのがあります。言わずもがな、超高齢社会は、寿命を迎えて天国へ召される方も増えるわけですから、今までの施設だけでは対応しきれません。そこで各地方自治体は、急ピッチで火葬場の建設を進めているのです。

LIGHTDESIGNでも、埼玉県の川口市にこの4月に完成した大きな斎場プロジェクトで照明を担当させていただきました。今回はその建設の途上で考えた「おくる為の光」について書いてみたいと思います。

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Vol.138|照明のパーソナライゼーション

ライフスタイルの多様化と照明
投稿日:2018,04,17
photo by rawpixel.com

パーソナライゼーションという表現

IT系の方なら慣れ親しんだ言葉なのかもしれませんが、最近このパーソナライゼーションという言葉をよく耳にするようになりました。以前、vol.33でも触れたように人々のライフスタイルの変化とともにニーズも変わり、更にそれが多様化しています。そこで、ITのチカラを使ってそれぞれのニーズにあったサービスや空間を提供しようというのがパーソナライゼーションサービスと呼ばれるものです。

日本の照明デザインのフィールドに、パーソナライゼーションという言葉が躍ることは今のところまだないのですが、この機会に照明デザインにおけるパーソナライゼーションについて考えてみたいと思います。

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Vol.137|照明を呼ぶ言葉、、、オッケー照明!

IoT時代の照明はどう点ける?
投稿日:2018,03,30
photo by NDB Photos

スマートスピーカーの話題

いま、AI(人工知能)を搭載したスピーカー、スマートスピーカーなるものが全世界で人気が出てきています。テレビCMで見たことがあるかもしれませんが、日本ではAmazonのAmazon Echo、GoogleのGoogle Home、それからLineからもClova Waveという商品が発売されています。

さて、このスマートスピーカーは何をするか?なのですが、、、インターネット検索、スマートホーム(照明や家電製品)に対する命令を中継したりします。最近ちょっと面白い話を耳にしました。Google Homeの場合、まず最初に「オーケー、グーグル」と呼びかけるのですが、シャイな日本人にとって、オーケー、グーグルと声を発するのはよほどテンションが高くないと厳しいという意見があるそうです。

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Vol.136|おとぎ話/昼の国・夜の国

地球の自転軸がずれた時・・・
投稿日:2018,03.15

北極点がずれてきている?

最近、耳にした話、どうやら地球の自転軸がずれてきていて、北極点の位置がヨーロッパ方向に移動しているというのです。

こうなると、地表面での日照量も変わってきて農作物にも大きな影響がありそうですが、そのずれが極端になってくると、地球上のとある地域では、1日の中に昼と夜があるのではなく、20年間ずっと昼(もしくは夜)、となってしまうのだという驚くべき話を聞いたのです。さすがにそうなってしまうと、これも人間や地球上の動植物にとって重大な変化であることは確かです。

もし、そんな環境になったら、私たちの一日の生活は、どうなってしまうのでしょうか? あるいは、照明の文化などはどのように変化していくのでしょうか? 今回は、そんな視点に立って考察してみたいと思います。

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Vol.135|照明デザインは会議室で決められる

照明デザインは会議室で決められる
投稿日:2018,02,23

会議室は現代の“狩り場”

以前、耳に残る面白いフレーズを聞きました。
それは、“会議でプレゼンを通せる男はセクシーだ”というセンテンスです。太古の人間生活では、狩りをして獲物を捕ってくる男が生きる力のある者で、そういう強い男に女性たちは惹かれたと言います。

では現代社会では、生きる力をどこで見ているのか?
それは、“これだと信じた志に向かって突き進み、実現していく力とエネルギーを持ち合わせている人だ”とおっしゃる方がいました。そして、会議の場で、大勢の合意を得て、実現に向けた第一歩を大きく踏み出す男こそが、現代の狩人として女性に惚れられるセクシーな男なのだとおっしゃるわけです。

なるほど、会議室が第一の狩り場というわけです。私の30年間の照明デザイン人生の中で、会議室は狩りの場だったのか・・・ちょっと振り返ってみたいと思います。

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Vol.134|現場に持っていくべき必需品

“使えないアシスタントよりもガムテープ”
投稿日:2018,02,08
photo by LIGHTDESIGN INC.

色んな現場で役立つ存在

“使えないアシスタントよりもガムテープ”というのは、長きに渡りライトデザインの照明写真を撮影してくださっているカメラマンの金子俊男さんが言った名言で、私もまさにその通りだと思っている言葉です。そう、現場いく時にはとにかくガムテープを持って行け! と、ライトデザインの歴代のスタッフ達にも伝えてまいりました。

それほどに重要なアイテムがガムテープなのですが、それはどう役立つのか?たかがガムテープ、されどガムテープ!!今回は、秘伝ガムテープのストーリーを、私の経験談や金子さんのお話を中心にご紹介しましょう。何か大きな人生へのヒントが隠されているかもしれませんよ!

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Vol.133|これからの照明は何が売れるのか?

照明における“属性順位の転換”
投稿日:2018,01,18
画像出典:favcars.com トヨタ ソアラ 2800GTエクストラ ’81

照明デザインの未来予想

明けましておめでとうございます。 本年もこのブログ「光のソムリエ・プルミエール」をどうぞよろしくお願いいたします。 今回は新年にふさわしく照明のこれからについて考えてみたいと思います。未来を知るためには、これまでの過去の出来事を知り振り返ることが肝要だと思うのです。この新年にふさわしい大きなテーマを切り開くために、ちょっと前に読んだ日経MJの面白い記事が大いに参考になると思います。それは、「属性順位の転換」というものでした。ちょっと難しそうな内容に見えますが、新年のスタートとしてお付き合いくださいませ。

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Vol.132|有機的な照明

光に味わいを与えるもの
投稿日:2017,12,27
Photo by West Coast Classic Cougar

無機と有機について

最近、自分の車を定期点検の為にディーラーに預けることがありました。行きはいつもの自分の車を運転してディーラーに行く訳ですが、帰りは預けてしまっているので貸し出された代車で家に戻ることになります。その車というのは、先ほど預けた私の車と全く同じ車種でした。ブレーキの利き具合やシートの座り心地もほぼ同じでした。そして、その同じ車のようで、他人の所有物に乗るという不思議なことになったなぁと、走り慣れたいつもの道を運転するも何かが違う・・・、なぜか落ち着かない・・・、そしてようやく気づいたのがダッシュボードの仕上げ材の違いだったのです。

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Vol.131|ポートランド旅行記・後編

ホテルの部屋で“観た”癒しの光とは
投稿日:2017,12,08
Photo by Hiroyasu Shoji

ポートランドという所

今回は前回から引き続き、この秋に行ったアメリカのポートランドへの旅での出来事をお届けします。前回の冒頭でポートランド旅行を決めた理由をいくつかお話しましたが、それ以外にもかねてからポートランドの噂は色々なところから耳にしておりました。それは消費税がない都市であること、“全米で最も住みやすい街”と言われているところ、人間らしさを重視したライフスタイルが根付いている街とも言われ、大いに興味があったからです。実際に肌で感じてみたいと思ったのでした。

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PROFILE
東海林弘靖 / Hiroyasu Shoji

1958年生まれ。工学院大学・大学院建築学専攻修士課程修了。
光と建築空間との関係に興味を持ち、建築デザインから照明デザインの道に入る。1990年より地球上の感動的な光と出会うために世界中を探索調査、アラスカのオーロラからサハラ砂漠の月夜など自然の美しい光を取材し続けている。2000年に有限会社ライトデザインを銀座に設立。超高層建築のファサードから美術館、図書館、商業施設、レストラン・バーなどの飲食空間まで幅広い光のデザインを行っている。光に関わる楽しいことには何でも挑戦! を信条に、日本初の試みであるL J (Light Jockey)のようなパフォーマンスにも実験的に取り組んでいる。




Vol.131
Vol.131 ポートランド旅行記・後編

Vol.132
Vol.132 有機的な照明

Vol.133
Vol.133 これからの照明は何が売れるのか?

Vol.134
Vol.134 現場に持って行くべき必需品

Vol.135
Vol.1235 照明デザインは会議室で決められる

Vol.136
Vol.136 おとぎ話/昼の国・夜の国

Vol.137
Vol.137 照明を呼ぶ言葉、、、オッケー照明!

Vol.138
Vol.138 照明のパーソナライゼーション

Vol.139
Vol.139 “おくる”為の光

Vol.140
Vol.140 「LIGHT+BUILDING 2018」レポート


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