Webサイトデザインの動向最近、Webサイトデザインは「フラットデザイン」というのがトレンドというのを耳にしました。これはリッチデザインと呼ばれる紙の質感を再現したようなデザインとは逆、その名のとおりフラット=平坦な無駄をそぎ落としたようなデザインのことで、主な例としてはグーグルのトップページやiPhoneの画面のようなデザインがこれにあたるそうです。聞くところによると、インターネットが一般的に使われるようになった90年代から様々な変化を経たのち、今の結果にたどり着いたということのようです。これは私の照明デザインでも少し似たようなところがあるとも言えるのではないかと思います。そこで今回はデザインのシンプル化について考えてみました。 装飾の必要性Webサイトデザインでは、インターネット初期は大した装飾がなかったものの、技術が進んでいくうちに様々な表現が可能になり、立体的であったり写実的であるような、凝った装飾が施されるようになったそうです。しかし、さらに時代が進んでスマートフォンが登場し、パソコンでよりもスマートフォンでインターネットを見る人の割合が増えたこともあって、パソコンでしか機能しない効果や過剰な装飾は少なくなると共に、スマートフォンで見る場合も含めてより機能面での優位性が重視されたデザインにたどり着いたということです。装飾の技術が増えて、作る側があれこれ色んな技を盛り込んでいたような時代が終焉を迎えて、使う側であるユーザーの目的や利便性を考えるという元来の目的に応じた極めてシンプルな方法論をとっていく時代になったのでしょう。 そういえば、私が照明デザインを学び始めた時代である1980年代は、照明の技術が建築界の中で色んな可能性を示してくれるというふうに謳われていた時代でした。その以前は建築空間の中で照明デザインをするというと、この照明器具がこの建築のデザインに合うからここに置きましょうという発想だったのが、光そのものがどのように空間を演出してくれるのかというものに変わった時代だったのです。 たとえば、グレアレスダウンライトというツールが登場し、天井に設置した光源自体がピカピカ光るのではなく、床や下にあるテーブルの上だけが照らされるようになりました。また、同様の技術でウォールウォッシャダウンライトというツールは壁面だけ照らすので、建物に入ったら突き当りの壁が明るく照らしだされ、来た人はそこに行ってみようという気持ちにさせることが出来るのです。それから、光源の真下ではなく斜め30度を照らすアジャスタブルダウンライトというものもあり、これは側にある物体、例えば花瓶などをフッと浮かび上がらせるのに効果的です。当時、これらは三種の神器のようになって、その組み合わせによって作るのが基本的な考え方となっており、さらにそこにコーニス照明を加えたりと、まさに足して重ねていくデザインだったのです。 必要を見極める瞑想の森 市営斎場(岐阜)
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