投稿日:2017,03,23
photo by LIGHTDESIGN INC.
玄関開けたら・・・
こんにちは、東海林弘靖です。最近、我が家の玄関の照明スイッチを取り換えたいなと思ってカタログを細かく見ることがありました。すると知らぬ間に照明用壁スイッチが随分と進化していることが分かったのです。
私が探していたのは、人を感知するセンサーが組み込まれたものなのですが、ただ単に人を感知してパッとつくものではなく、照明デザイナーをも満足させる素敵な仕上がりのものでした。それはどんな仕様か?今回はそのご紹介と共に、スイッチをテーマとした4つのエピソードを並べてみました。
その1 人を優しく迎えるセンサースイッチ
その玄関スイッチというのは、私が深夜に帰宅すると、照明が柔らかくフッとまず一段階灯ります。そして、数秒後にフワーッともう一段明るくなるようなプログラムが書きこまれているのです。何だか家族の誰かが起きていて、私の帰りを知って丁寧に明かりをコントロールしているかのような気持ちにさせられます。
この二段階での照明の制御ですが、なかなかやるじゃないか!いいね!を2つ差し上げたいほどによろしいのです。お値段も定価で1万円程度とそんなに高くないではありませんか!この発見はとても嬉しいものでした。私の著書「デリシャスライティング」では「お帰りライト」という照明レシピがあって、それはもっとローテクなセンサーをつかっているのですが、今ならこのスイッチを使うだろうな・・・・。とにかく照明はこんな小さな工夫をするだけで毎日がとても楽しくなるものなのだと思いを新たにした次第です。
その2 調光スイッチ ー気持ちも切り替え
私の好きな壁つけスイッチをご紹介してまいりましょう!
それは、調光スイッチです。電源の入切をするだけでなく、明るさを調整して変えることが出来るので様々な部屋に取り付けています。
その中でもお勧めはバスルームの照明を調光する使い方です。例えば、ちょっと今日は少しほの暗くしてのんびりお湯に浸かろう!何かリゾートホテルに来たみたいな気分を味わえる!・・・なんてことも出来ますし、また朝のシャワー時にはグッと明るくして水しぶきも感じながら目を覚ます・・・なんて使い分けるも可能です。実際私が海外で見た一流のホテルには大抵バスルーム調光が付いていましたね。
その3 時間差スイッチ ーローテクでも工夫で
30年くらい前の出来事を思い出しました。仙台に出張に行った時のこと。その日の仕事を終えて食事をとった後、かねてから気になっていた美しいバーがあるということで、そこへ出かけてみたのです。そこは当然のようにインテリアの光はグーッと絞り込まれていて美しい翳りが演出されていました。しばらくしてトイレに立ったのですが、そこで感動的な光を目にしたのです。
まずドアを開けると、センサーで照明がフワッと点きました。ゆっくりと正面の壁にかけられた絵に光が当てられます。バーのインテリアの光が延長された感じです。そして一歩中に入ると、左に広がるお部屋のように広い空間の奥にある絵に光が与えられたのです。
「時間差攻撃!」、これには参りました。いったいどんな機器を使っているのだろう?と調べてみるも残念ながらわからず仕舞いでした。後日この話を照明制御の専門家にしてみると、意外な答えが・・・
1)おそらく特別な調光器を使っているのではなく、1番目の光と2番目の光は同じスイッチで制御されている
2)最初の光は100ボルトで点く小さな電球だが、
3)2番目の光は「巻き線トランス」を用いた12ボルトのハロゲンランプではなかったか?
という推論でした。実験してみると巻き線トランスを経由してハロゲンランプを点灯させると、そのような効果が確認されたのです。ローテクだけれども、そういった感性を持って導きの照明の設計がなされていたのだとすると・・・恐るべし、30年も前に!
その4 エントランススイッチ ーさらにハイテクに
スタジオで実際に使用しているスイッチ
photo by LIGHTDESIGN INC.
さて、最後はLIGHTDESIGNのスタジオのスイッチです。使っているのはルートロン製の調光器システムで、各部屋の照明を個別にシーンとして登録するだけでなく、照合してひとつのリモコンで全体のシーンを切り替えることができます。
例えば、朝一番に来た人がエントランスのスイッチをポンと押せば、3つのスタジオにあらかじめ作ってある光のシーンが呼び込まれます。また最後に帰る人は朝と同じスイッチのOFFを押せばすべての照明が消灯するようにできています。しかも、このスイッチはワイヤレスなので取り付けも簡単なところがいいね!なのです。私のスタジオでこのシステムを体験した多くの方は、早速自宅でも使ってみよう!と思われるようです。
今は、照明コントロールが身近になってきていますので、明かりだけではなくスイッチにも注目してより豊かな照明ライフの思い描くのも良いかもしれません。
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